世間がこれだけ健康ブームに沸いているというのに、住宅との関係性における健康については関心が及ばず、ハウスメーカーもデベロッパーも将来を見越した商品の提供はほとんど行っていません。新築マンションのチラシには「永住型」を謳いながらも、購買層が三十代から四十代であるためか、加齢対応仕様は全く揃えていないのが現状です。三十代から四十代までの世代ではなかなか気づかないちょっとした段差が、ある日突然つまずきの原因になったり、骨折などの怪我をしてからようやくバリアフリーの必要性を痛感したりしていたのでは、十分な加齢対応とは言えません。
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住宅の購入とはすなわち終の住みかを手に入れることなのですから、家庭内事故を未然に防ぐための事前予防とは、これからの住まい選びに不可欠な要素です。「住まいは量の時代から質の時代へと転換した」と国や住宅関連業界の間で言われ始めたのは昭和五十年代の前半でしたが、一般的にはまだ利便性や快適性ばかりが重視され、付加価値が高いほど「良い住宅」だと評価する風潮が幅をきかせています。例えば、マンションであればアスレチックジムやプールの併設であったり、インテリアの豪華さが「ウリ」となり、加齢に備えた家づくりはなおざりにされてきました。しかし、長寿社会はすでに到来しており、一次取得の時点であっても加齢対応をおろそかにはできません。