自分はいくらしっかりしていても、そうした環境から、予期せぬ被害にあうことだってあるのです。「教室移動のとき、近所の風俗店のお客にからまれたのが、とてもいやだった。それから、その予備校には、行かなくなった」「予備校の近くのゲームセンターに、同世代の人たちが、よくたむろしていて、地べたに座り込んでいた。そのまえを通り過ぎるときは、いやだった」このような意見も出ていますので、環境の悪さが、受験勉強に対する集中力を削ぐ可能性は十分にあるのです。騒音や、飲食店街特有のにおいが気になる人もいますので、そうした総合的な立地条件にも注意しておきましょう。実際、良心的な指導を展開している予備校・塾は、そうした環境にもしっかり気を配って校舎展開をしています。
子どもを育てるには、母親だけではなかなか大変だ。もしお父さんがいる家庭なら、是非子育てに参加してほしいものである。教育に関心を持っているお父さんの家庭は、何か問題が起きても大丈夫である。父親は教育にも参加しなくてはならないことは、以前他の著書で書いたが、ここでは、子育てに成功する「満点パパ」を考えてみることにしよう。父親が教育に参加しなければならないと書くと、すぐ「教育パパ」になってしまう人がいるが、これはいただけない。ここでいう教育パパとは、ふだん家にあまりいなくて子どもとの接触が少ないにもかかわらず、勉強のことに口を出し過ぎる父親のことだと思ってほしい。学佼の宿題、塾で使っている問題集を、こと細かに点検して、手取り足取り、やり方だけでなく答えまで教えてしまう父親もいるぐらいだ。挙げ句には、学校の教え方は間違っているとか、塾で使っている問題集は良くないとか文句をいい出す人もいると聞く。このような教育パパは、たとえ子どもが良い素質を持っていたとしても、その芽を摘んでしまうことに、本人は気づいていない。
勉強を考えるときに忘れてほしくないのは、脳のコンディションだけでなく、精神的なコンディションや体のコンディションも大切な要素だということです。勉強をするときには、なるべくこれらの状況をよくしておくに越したことはありません。たとえば、一念発起して司法試験でも受けたいという場合、ストレスが多い環境にいるのなら、なるべくそれを避けます。あまり忙しくて体がへとへとになるような環境にいるなら、変えてもらうか転職するほうが賢明です。悪条件をそのままにしていると勉強の能率が上がらず、ずるずると何年も浪人するはめになることが多いのです。いまの仕事がどうしても嫌だというような場合は、まず一生懸命貯金をして(たとえば、勉強期間は仕事を休めるくらいがベストです)、自分が勉強しやすい環境に移ってから勉強をしたほうがよいのです。脳は人が考える以上に脆弱な臓器です。