いずれも貿易金融に円を使うことを促すために作られた制度です。このうち輪入決済手形制度は一九八三年十一月からスタート、円建てBA(銀行引受手形)は八五年六月に創設されました。円金融を促進することで円の国際化を推進するとともに輸入を増やすことが狙いといえるでしょう。もちろんドル金融が円金融に変わっていくには貿易の決済が円建てになるのが一番です。といってもこれは相手のある話で、そう簡単にはいかないでしょう。円は“強い通貨”などといわれても、ドルに比べれば国際的な通用力はまだまだで、ローカル・カレンシー(一地域の通貨)にすぎません。輸入決済手形制度というのは、輸入業者が銀行あてに振り出した円建て輸入決済手形を銀行が日銀に持ち込んだ場合、これを日銀が公定歩合で割り引くものです。銀行は低利で資金調達ができることになるため、輸入業者に対して短期プライムレート(最優遇貸出金利)程度の低利で円融資ができるのが利点です。円建ての貿易金融に消極的な銀行もこのような制度があれば円金融に力を入れ、輸入業者も低利で貿易金融が受けられるから輸入促進に役立つというわけです。この制度は七八年から七九年にかけて実施されたことがあり、二回目の登場ということになります。ただ、現実にはあまり活発に利用されているとはいえません。銀行が相変わらず円金融に消極的なためです。というのも、ドル金融の方が一般的に利ザヤが大きく、うまみがあるからです。日銀にしても銀行から申し込みがあったら金融情勢のいかんにかかわらず、必ず割り引かなければならない制度金融であるため、もともと乗り気ではありません。