国家ごとの通貨を統合の方向へ向かわせる動きも当然、出てくるだろう。EUのユーロはすでに難題を抱えながらもスタートしているが、アジア経済圏ではどうなるのか。実態上は米ドルが暗黙のスタンダードになりつつあるが、電子マネーの問題を含めて、日本としてもぜひ考えておかねばならない課題だ。信用という機能も大きく変わってくる可能性がある。たとえば、これまでは貿易取引のさい、レターオブクレジット(信用状)という分厚い書類が必要だった。これは、取引の相手が遠くにいて、国籍も違い、情報が足りないから、第三者が信認をつけるというものだ。ところが、情報のコストが革命的に下がると、ある人の情報は、距離にかかわらずインターネットを通していくらでもとれる。たとえばどこかの地酒を買おうと思ったら、この酒屋は創業何年で、かつて一回不渡りを出したけれどもいまは健全経営でこんな造り方をしていてといった情報をとろうと思えばとれないわけではない。したがって、信用を保証する第三者というものの存在が変わってくることもありうる。
コンピュータ・ネットワークで人間のコミュニケーションを実現しようというときには、そもそもの人間のコミュニケーションについて理解することが不可欠です。しかし言うまでもなく人間のコミュニケーションは多様で複雑ですから、それをどのように抽象化して、構造アーキテクチャ上を把握するかが、重要なポイントになります。そして、こうして得られた理解に基づいて、コンピュータ・ネットワークが形づくられていくわけです。コミュニケーションは、そのための仕組みに注目したり、約束事に注目したり、役割分担に注目したりすることで、いろいろに分解することができます。ここで「話す」というコミュニケーションについて考えてみましょう。まず話者が頭で何かを考える。そしてそれを意味のある言葉に置き換える。次に言葉を音にして発音する。ここまでが、話者の内部での作業です。発音されるということはどういうことかといえば、声帯が、空気を震わせるということです。そして、あいだに入った空気が震えを伝播して、相手の鼓膜を震わせることになります。ここから今度は聞き手の側の作業になります。すなわち、鼓膜の震えを聴覚神経が脳に伝え、脳はそれを音声として認識し、さらに言葉として把握し、意味を理解する―ざっと、このような過程をへて、コミュニケーションが成立するのです。
ネットで確実にユーザーに受け入れられている動画共有サイトにも、まったく問題がないわけではない。よくクローズアップされるのが著作権の侵害だ。YouTubeやニコニコ両画では、スタート当初から著作者に許諾を取っていないと思われるテレビ番組や映画、音楽などのコンテンツが相次いで投稿されていた。当初はこうしたコンテンツの著作権を持つ著作権者が、運営側に逐次削除を依頼していたが、人気の高いコンテンツは再び投稿されてしまうという「いたちごっこ」の状態だった。YouTubeでは、米メディア大手のバイアコムが10億ドルの著作権侵害を訴えて訴訟を起こした(その後、訴訟を取り下げている)。そこで最近では、運営側がコンテンツ識別ツールを企業側に提供するようになっている。